1日1回の経口投与で用量の漸増・調節が不要なTYK2阻害剤
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は9月26日、TYK2阻害剤ソーティクツ(R)錠6mg(一般名:デュークラバシチニブ)について、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬および乾癬性紅皮症を適応として、製造販売承認を取得したと発表した。
ソーティクツは、チロシンキナーゼ2(TYK2)に選択性をもってアロステリックに阻害するという新規作用機序を有するTYK2阻害剤。TYK2は、細胞外からの刺激シグナルを細胞内に伝達するために働くリン酸化酵素(キナーゼ)群のひとつであるヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリーの分子で、乾癬を含む自己免疫疾患の病態に寄与するインターロイキン(IL)-23、IL-12、I型インターフェロンなどの炎症性サイトカインの受容体に結合して下流にシグナルを伝達する役割を担っている。ソーティクツはTYK2に対するアロステリック阻害作用により、これらのシグナル伝達経路を抑える。また、ソーティクツは1日1回の経口投与で、用量の漸増・調節が不要だ。
なお、米国では、2022年9月9日に、全身療法または光線療法の候補となる中等症から重症の成人尋常性乾癬患者の治療薬として承認を取得している。欧州でも乾癬に対する承認申請を行い、審査中だ。
各種P3試験で優れた皮疹改善効果
今回の承認は、中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬患者を対象とした国際共同第3相臨床試験(日本人含む)と海外第3相臨床試験、中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬患者、膿疱性乾癬患者および乾癬性紅皮症患者を対象とした国内第3相オープンラベル試験の結果に基づくもの。中等症から重症の尋常性乾癬患者を対象とした国際共同第3相臨床試験(IM011-046試験)と海外第3相臨床試験(IM011-047試験)において、ともに主要評価項目とした投与16週のPASI 75達成率およびsPGA(0/1)達成率において、いずれもプラセボ群に比べてソーティクツ投与群で統計学的に有意に高い結果が示された。
また、既承認の経口治療薬で広く用いられているオテズラ(R)(アプレミラスト)投与群との比較に対しても、副次評価項目とした投与16週のPASI 75達成率およびsPGA(0/1)達成率は、ソーティクツ投与群で統計学的に有意に高い値が示された。さらにソーティクツの投与により、PASI 75 達成率およびsPGA(0/1)達成率の改善は、投与開始から最初の24週間に最大効果が認められ、投与52週まで持続した。
尋常性乾癬、膿疱性乾癬および乾癬性紅皮症患者を対象とした国内第3相オープンラベル試験においては、主要評価項目とした投与16週のPASI 75達成率およびsPGA(0/1)達成率はそれぞれ71.6%および75.7%だった。
国際共同第3相臨床試験と海外第3相臨床試験の統合解析における投与16週までの重篤な有害事象の発現割合は1.8%(プラセボ群2.4%)で、現時点で最長2年までの長期投与により発現割合が上昇する傾向は見られなかった。また、膿疱性乾癬および乾癬性紅皮症患者の安全性プロファイルも尋常性乾癬患者とおおむね一貫していたとしている。
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・ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 プレスリリース