厚生労働省は12日、新型コロナウイルスワクチンであるファイザーの「コミナティRTU筋注」とモデルナの「スパイクバックス筋注」(共に一般名:コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン)について、オミクロン株BA1系統に対応した効能・効果、用法・用量を追加する製造販売承認事項の一部変更を特例承認した。
第7波の感染拡大では、オミクロン株が主流となっていることを踏まえ、両社は従来株にのみ対応した1価ワクチンに位置づけられていた両品目について、8月にオミクロン株のBA1系統対応2価ワクチンとするための一部変更承認申請を行っていた。
厚労省は、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が12日に起源株とオミクロン株BA1系統に対応した追加免疫での一部変更承認承認を了承したことから、同日に特例承認した。
海外で行われた臨床試験で得られた両ワクチンの有効性は、ファイザーの従来型ワクチンを3回接種済みの健康人に対し、2価ワクチンを4回目として接種したところ、従来型を接種した集団と比較して中和抗体価がファイザーで1.56倍、モデルナでは1.745倍となり、2価ワクチンの優越性が示された。
安全性については従来型ワクチンの追加接種時と概ね同様であり、追加接種の重大な懸念は認められていないとしている。
接種間隔について、従来型と同様に前回の接種から少なくとも5カ月経過した後としているが、海外では5カ月より短い間隔で接種している国が多いことから部会では「短縮すべき」との指摘があった。海外の動向、有効性、安全性等の情報を踏まえて、接種期間を短縮する方向で検討し、10月下旬までに改めて結論を得ることとした。
接種年齢については、ファイザー製品は12歳以上、モデルナ製品は18歳以上が対象となっている。
厚労省は、19日の週からファイザー約1013万回分、モデルナ約100万回分の計1113万回分を配送開始し、準備のできた自治体から60歳以上の人や基礎疾患を持つ人などに4回目接種を開始するよう呼びかけている。