厚生労働省は13日、バイエル薬品の肺高血圧症(PH)治療剤「アデムパス錠」(一般名:リオシグアト)とHIVプロテアーゼ阻害剤3品目の併用に関する注意喚起について、現行の禁忌から併用注意に緩和するため、添付文書の「使用上の注意」を改訂するよう製造販売業者に指示した。
改訂対象は、バイエル薬品の「アデムパス錠0.5mg、同錠1.0mg、同錠2.5mg」のほか、HIVプロテアーゼ阻害剤であるアッヴィの「ノービア錠100mg」(リトナビル)、「カレトラ配合錠、同配合内容液」(ロピナビル・リトナビル)、ブリストル・マイヤーズスクイブの「レイアタッツカプセル150mg、同カプセル200mg」(アタザナビル硫酸塩)
アデムパスについては、HIVプロテアーゼ阻害剤を禁忌、併用禁忌の項目から削除し、併用注意の項目で注意喚起する。
同項目では、HIVプロテアーゼ阻害剤と併用する場合、同剤の血中濃度が上昇する恐れがあるとし、通常の開始用量より低用量である1回0.5mgを1日3回から開始するよう考慮することを求めた。
HIVプロテアーゼ阻害剤3品目に関しても、アデムパスを禁忌、併用禁忌の項目から削除し、併用注意の項目で注意喚起することとした。
アデムパスは、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、肺動脈性肺高血圧症を効能・効果としている。抗菌剤のケトコナゾールとの薬物相互作用試験では、ケトコナゾール非併用時に対する併用時のアデムパスの曝露量が約2.5倍増加したため、HIVプロテアーゼ阻害剤と併用した場合も曝露量の増加が起こる可能性があると考えられていた。