医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、MID-NET(医療情報データベース)の利活用に関する有識者会議で、早期段階から安全性を収集して安全対策に生かす「早期安全性シグナルモニタリング」の対象に特例承認制度で承認された医薬品を加えることを了承した。
早期安全性シグナルモニタリングは、医薬品の安全性に関する情報を早期段階から集積して適切な安全対策に生かすことを目的としたもの。探索的調査に位置づけられ、年齢や併用薬など患者背景を薬剤疫学的手法に基づいて解析する調査を実施していないため、シグナルが確認されても直ちに安全性上の問題があることを示してはいないとしている。
前回会合では、5月に創設された医薬品等の緊急承認制度で承認された医薬品を早期安全性シグナルモニタリングにおけるシグナル検出の調査対象に追加することが了承されていた。
この日の有識者会議では、特例承認制度が適用された医薬品に関する早期安全性シグナル検出の対応が議題となり、シグナル検出の調査対象に追加することが了承された。
シグナル検出における調査対象医薬品の追加に伴う共通の調査計画変更、医薬品ごとの利活用申し出の審査は、PMDA事務局による審査で対応する。MID-NETの利活用に関するガイドラインの改定作業が行われる見通し。
一方、この日の会議では報告事項として、国立病院機構の診療情報集積基盤(NCDA)とMID-NETのデータ活用に向けた連携とガイドラインの改定に関する報告を受けた。
具体的には、MID-NETの利活用に関するガイドラインについてMID-NETのデータセンターへ転送されるデータとして、NCDAのデータが追加されることを明記する。
NCDAは2016年に運用開始したもので、性別、年齢、疾患名、処方情報など全国の患者の診療情報を集積した上で、分析を実施。その結果は、医療の質向上、新薬開発に向けた臨床研究推進などに活用するとしている。