この日の会議で厚労省は、要指導・一般用医薬品としての必要性や課題について1月の会合で議論した6品目について、パブリックコメント等を踏まえた上で、厚労省がOTC化に向けた課題と対応策を提示した。
武田薬品のロゼレムについては、併用注意薬など相互作用が非常に多い薬剤との指摘を受け、「薬剤師が販売時にチェックリストで確認することで適正使用を確保できる」とした。
ただ、宮川政昭構成員(日本医師会常任理事)は、睡眠リズム改善のために長期間の服用が必要なこと、薬事承認のために用量が非常に大きく設定されたことなどに触れ、「一時的に使用する薬ではないし、中身を考えないとOTC薬として使いようがない」と否定的な見解を示した。
一方、磯部総一郎構成員(日本OTC医薬品協会理事長)は「再審査期間が済み、報告書も出ているので、現在の用法・用量を前提に考えた方が良い。データをよく見てもらう必要がある」と述べたほか、個人輸入が非常に多い分野で健康被害も相次いでいるとして、「品質のしっかりとしたものが入手でき、活用できる道が必要」と訴えた。
岩月進構成員(日本薬剤師会常務理事)は、「データをそのまま信用するのではなく、分析した上での判断が必要」とした。
サンファーマの褥瘡治療剤「オルセノン軟膏」(トレチノイントコフェリル)の対応策では、OTC化に大きな問題はないとしたものの、セルフメディケーションの対象外と記載。五十嵐敦之構成員(NTT東日本関東病院皮膚科部長)も「決して使いやすくなく、出番も少ない」と指摘するなど、肯定的な意見は上がらなかった。
グラクソ・スミスクライン(GSK)のアレルギー性鼻炎治療剤「ザイザル」(レボセチリジン塩酸塩)では、シロップ剤の誤飲が多い現状を踏まえ、対応策として、チャイルドレジスタンス容器など誤飲防止に向けた安全対策を求め、構成員からは導入に肯定的な意見が多数を占めた。
共和薬品の片頭痛・緊張性頭痛治療剤「ミグリステン錠」(ジメトチアジンメシル酸塩)に関しては、湯浅章平構成員(章平クリニック院長)が「2~3カ月程度服用し、効果の発現までに時間がかかる」と懸念を示した。
一方、GSKのアレルギー性鼻炎治療剤「アラミスト点鼻液」(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)、佐藤製薬の駆虫剤「コンバントリン」(ピランテルパモ酸塩)のOTC化に否定的な声は上がらなかった。