調査は、同委員会加盟66社を対象に、5月9~27日にかけて開発プロジェクトの状況を調べた。2022年3月時点の開発・申請中のプロジェクトは1075件と2021年から47件の増加となった。
RWDを活用予定のプロジェクトは1075件中36件で、21年調査時から18件減り、全体に占める割合も2%減少した。内外資で偏りはなく、36件中30件がグローバル開発品だった。疾患領域では抗悪性腫瘍薬が16件(44%)と最も多く、神経精神病薬が5件(14%)と続いた。
RWDの利活用を検討しているプロジェクトの半数以上で薬事制度の利用が検討されており、中でも希少疾病用医薬品制度の利用が最も多かった。利用データベースは、内資系企業は疾患レジストリ、外資系企業はDPC、レセプト、診療情報(電子カルテ)が多かった一方で、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医療情報データベース「MID-NET」を利活用する予定のプロジェクトはなかった。
PMDA相談が実施・計画されているものは半数のプロジェクトであり、臨床試験の外部参照としてRWDを設定しているプロジェクトはなかった。
PMDAの相談通りに合意となったプロジェクトは7件あり、そのうち4件が臨床試験計画時での利用、残り3件は承認申請時にRWDを有効性・安全性の補足的な説明に利用することが検討されていた。
一方、RWD利活用なしと回答したプロジェクト1039件のうち、利活用しないと判断した理由の969件(93%)が「検討していない」だった。「社内検討の結果」は22件(2%)、「PMDA相談の結果を踏まえて判断」が7件(1%)となった。
自由回答では、「RWDの利活用に求められる要件が不明で、活用に必要な投資・労力のリターンの比較が困難」との意見が上がった。
そのほか、「承認申請に利用できるようなエビデンスレベルの高いRWDがない」「希少疾病でなくとも承認申請で活用できるようになること」などとRWDの充実を求める声や、「具体的な活用事例、想定される活用方法、PMDAの受け入れ条件などを示してほしい」との要望もあった。