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【厚労省】抗うつ薬などに発癌性物質-ニトロソアミン検出を公表

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2022年09月07日 AM10:05

厚生労働省は1日付の事務連絡で、抗うつ剤のアモキサピン製剤、糖尿病治療剤のシタグリプチンリン酸塩水和物製剤から発癌可能性がある物質のニトロソアミンが検出されたことを公表した。いずれも原因は調査中としつつ、患者の自己判断で使用中止しないこと、他の治療選択肢を医師や薬剤師が患者に説明することなどを求めた。

ニトロソアミン類は長期間継続して摂取すると癌発症のリスクが増加する恐れがあるため、厚労省は昨年10月、各製造販売業者にニトロソアミンの含有可能性がある全医薬品を調査するよう指示していた。

その結果、ファイザーのアモキサピン製剤である「アモキサンカプセル、同細粒」からニトロソアミン類のN-ニトロソアモキサピンが、シタグリプチン製剤であるMSDの「ジャヌビア錠」「スージャヌ配合錠」からNTTPが検出されたことが報告された。

原因として、各製剤がニトロソ化することで生成すると考えられているが、アモキサピンでは製造販売業者、シタグリプチンでは製造販売業者、各国の規制当局が協力して詳細な原因を調査している。

アモキサピンは急激な減量、服用中止により離脱症状が現れる可能性がある一方、ニトロソアモキサピンによる発癌リスクを完全に否定することはできないと判断。ファイザーは切り替え期間を設けた上で、来年2月に出荷停止する考えを示している。また、安全性の評価も実施している。

医療機関には、患者が自己判断のみで服用を中止しないよう説明すること、他の治療選択肢を薬剤師等が説明するよう求めている。

製造販売業者には、新規患者に同剤の使用を控えると共に、製品を使用中の患者には他の抗うつ剤への切り替えを検討するよう呼びかけることを求めた。

シタグリプチンに関しては、製造販売業者が追加の非臨床試験実施を検討すると共に、安全性に関する評価を行っているほか、アモキサピンと同様の対応を製造販売業者、医療機関に求めた。

MSDと、ジャヌビアと1物2名称となる「グラクティブ錠」を製造販売する小野薬品は、安全性のリスクはほぼないと判断してシタグリプチン製剤の出荷を継続し、市場に流通済みのロットも処方停止の必要はないとの考えを示している。NTTPの1日許容摂取量以下に抑えるため、製造プロセスの管理を強化する方針だ。

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