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【厚労省検討会】薬剤師は「打ち手対象外」-新興感染症時には検討も

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2022年09月05日 AM10:15

厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症の対応を踏まえたワクチン接種・検体採取の担い手を確保するための対応のあり方等に関する検討会」は8月31日、医師、看護師以外の接種の担い手として歯科医師など5職種が適当とする報告書案を概ね了承した。薬剤師は対象外となった一方、コロナより感染力の強い感染症発生時などを想定し、薬剤師等が担い手として妥当かどうかを引き続き検討することも重要とした。

報告書案では、感染症発生時に医師、看護師以外の医療職種がワクチン接種することについて、医療安全の観点から接種に関する基本的教育を受けており、業務を行う上での技術的基盤を持っていることが重要と指摘。具体的には、人体への注射・採血を行っていることが重要とし、該当する職種として歯科医師、臨床検査技師、救急救命士、診療放射線技師、臨床工学技士の5職種を担い手とすることが適当とした。

これら職種の養成課程では注射に関する基本的教育を行っているほか、実際に業務も実施していることなどが担い手とする根拠としている。歯科医師等が実際に接種の担い手となるプロセスとして、一定の研修を受けることを前提に、まずは医師、看護師が対応した上で、担い手確保が困難と見込まれる場合とした。

薬剤師は対象に含まれなかったが、今後の課題として、コロナよりも感染力の強い感染症が発生し、他業務への対応も含めてワクチン接種ができない状況も想定されるため、「対応策が必要」との記載を盛り込んだ。薬剤師など今回の検討結果で担い手に含まれなかった職種も含めて、これら状況が発生した場合の対応を検討していく必要があるとした。

ただ、井本寛子構成員(日本看護協会常任理事)は、薬剤師について「身体に針を刺す教育を受けていないと認識している。調剤を業務とし、診療補助を必要としない職種であり報告書から削除すべき」と主張。

釜萢敏構成員(日本医師会常任理事)も「今回の検討結果を逸脱した解釈につながらないよう文言は限定した方が良い」と賛同した。

 

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