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小・中・高生の7%にゲーム依存症の可能性、全国一斉臨時休校後の疫学調査で-長崎大

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2022年09月05日 AM10:30

日本のゲーム依存症に関する研究はほとんどなく有病率や社会機能障害などの実情は不明

長崎大学は9月1日、長崎県依存症予防教育啓発事業の委託を受け、新型コロナウイルス感染による全国一斉臨時休校後の小学生・中学生・高校生の「」の実地調査を行い、その結果を発表した。この研究は、同大病院地域連携児童思春期精神医学診療部の山本直毅助手、同大生命医科学域 精神神経科学の 森本芳郎講師、同作業療法学の今村明教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Psychiatry and Clinical Neurosciences Reports」に掲載されている。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

近年、スマートフォンやモバイルPCが一般化したことで、ゲーム依存症の子どもが増加していることが世界的な問題となっている。2022年1月に世界保健機関(WHO)が発行した国際疾病分類の最新版(International Classification of Diseases 11th Revision: ICD-11)において、ゲーム依存症が正式な精神疾患として採用されことが大きな注目を集めた。しかし、日本におけるゲーム依存症に関する研究はほとんどなく、有病率や社会機能障害などの実情はよくわかっていない。

現在、新型コロナウイルスの世界的流行は収束する気配がなく、日常生活において、さまざまな制限がある。コロナ禍におけるストレスが、アルコール依存症やギャンブル依存症などのさまざまな依存症を悪化させることが次第に明らかとなってきており、ゲーム依存症に関しても悪影響があるのではないかと危惧されている。

長崎県内の小学生7.3%、中学生7.5%、高校生6.1%が「ゲーム依存症」の可能性

研究グループは今回、新型コロナウイルスによる全国一斉臨時休校後のゲーム依存症の実地調査を行った。

その結果、長崎県内に在籍している小・中・高生4,048人のうち、7%の児童・生徒(小学生:7.3%、中学生:7.5%、高校生:6.1%)が、ゲーム依存症に該当する可能性があることがわかった。

ゲーム依存傾向のある子どもは心理的・社会的な問題を抱え、コロナに対する不安感も強い

また、ゲーム依存傾向のある子どもは、単にゲームに費やす時間と金額が多いだけでなく、不登校、情緒や行動の問題、インターネット依存など、さまざまな問題点を抱えていることが明らかになった。

さらに、ゲーム依存傾向のある子どもは、新型コロナウイルスに対する不安を強く感じる傾向があり、新型コロナウイルス流行後にゲームのプレイ時間やゲームに費やす金額が増えていることも判明した。

コロナ禍において、ゲーム依存症の子どもたちに対する特別なサポートが必要

今回の研究成果により、ゲーム依存症の子どもたちは、さまざまな心理的・社会的な問題点を抱えており、新型コロナウイルスに対する不安を強く感じていることが示唆された。これらの結果は、いまだ終わりの見えないコロナ禍において、ゲーム依存症の子どもたちに対する特別なサポートの必要性を強調している。

「我々の長崎大学ゲーム・ギャンブル等依存症研究会は、ゲーム依存症の子どもたちに対する効果的なサポート方法を開発・提供していくため、今後も研究を続けていきたいと考えている」と、研究グループは述べている。

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