日本薬剤師会、日本医師会、医療情報システム開発センター(MEDIS)は電子処方箋の運用開始に向け、12月からHPKIカードがなくても電子署名できる「HPKIセカンド電子証明書」の提供を開始する。セカンド電子証明書とスマートフォンを紐付けることによって、カードの破損・紛失時でも生体認証を通じて署名可能とした。
2023年1月に運用開始予定の電子処方箋には、HPKI電子証明書を格納し、薬剤師や医師などの資格を電子的に証明できるHPKIカードが必要となるが、電子カルテなど電子証明を行う全ての端末にカードリーダーが必要なこと、破損・紛失時に業務が滞ることなどが課題として指摘されている。
そのため、日薬、日医、MEDISが運営し、電子証明書を発行するHPKI認証局については、電子証明書をカードだけでなくクラウド上にも格納し、カードがなくても電子証明できる「HPKI電子証明書管理サービス」を開発した。
同サービスにクラウド用の電子証明書を発行・格納することで、スマホを利用した電子署名が可能となるため、クラウド用の電子証明書をHPKIセカンド電子証明書と位置づけている。セカンド電子証明書はカード保有者に発行し、あくまでもカードを補完するものとなる。
カード保有者にはスマホ読み取り用のQRコードが送信され、コードを読み取ることでセカンド電子証明書とスマホが紐付けされ、本人確認には生体認証を使用する。
セカンド電子証明書によって、カードの破損・紛失時でも電子署名ができるほか、IDとパスワードに代わってより簡便に地域医療連携システムにログインできるなどのメリットがあるとしている。