文部科学省は26日、「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業」について、日本医療研究開発機構(AMED)による審査を踏まえ、世界トップレベル研究開発拠点のフラッグシップ拠点として東京大学を採択した。フラッグシップ拠点と一体となって研究開発機能を担うシナジー拠点には北海道大学、千葉大学、大阪大学、長崎大学の4大学を選んだ。
政府は2021年6月に閣議決定された「ワクチン開発・生産体制強化戦略」に基づき、2021年度補正予算で「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業」を基金事業として創設した。
AMED内にワクチン開発の司令塔組織「先進的研究開発戦略センター」(SCARDA)が設置されたことを受け、3月から感染症有事に備え平時から最先端研究の中核的機能を発揮するための「フラッグシップ拠点」とフラッグシップ拠点とのシナジー効果が期待できる「シナジー拠点」を公募していた。
フラッグシップ拠点には東大を選び、河岡義裕特任教授を研究開発代表研究者とする「新世代感染症センター」を設置する。研究開発費規模は1拠点当たり5年間で上限77億円。シナジー拠点として採択された4大学と連携し、ワクチンの研究開発を進めていく。
一方、フラッグシップ拠点、シナジー拠点などに対して、実験動物作製やヒト免疫についての解析、感染症の重症化リスクの高い疾患のゲノム解析などを行うサポート機関も採択した。