医療法第25条では、病院が同法が規定する人員、設備を備え、適正な管理を行っているかどうかを厚労省が検査することとしており、院内で勤務する医師や薬剤師等の充足率、安全管理体制の確保状況等を確認している。
充足率に関しては、同法施行規則で定める標準数に対する医療従事者数の割合を示しており、19年度は全国7749施設を対象に実施した。
その結果、薬剤師数の適合率は97.1%(7527施設)で、前年度の96.7%を上回った。
15年度から19年度までの適合率は96.3%~97.1%で推移していることから、厚労省は「全体として高い数値を維持しており、業務を遂行する上でも特段問題ないのではないか」との見解を示した。
適合率を地域別に見ると、近畿98.8%、関東98%、北陸・甲信越97.9%、中国97.7%の順に高かった。東日本の平均は97.7%、西日本は96.6%で、それぞれ前年度より0.6ポイント、0.4ポイント上昇した。
病院種別・病床規模別では、一般病院、精神科病院、結核病棟などその他病院について、500床以上では99.2%、300~399床で98.8%と比較的高かった一方、20~49床では94.1%、50~99床では97.4%にとどまった。
一方、厚労省は、高度な医療を提供する特定機能病院に関する21年度の立入検査の結果も公表した。18施設に立入検査、69施設に書面で確認を行った結果、指摘事項があった病院は41施設だった。
内訳を見ると、「口頭指摘事項」があったのは40施設、「検討を要する事項」を通知したのは3施設だったが、「不適切事項」を通知した病院はなかった。口頭指摘事項は101件で、このうち、「医薬品、医療機器の安全管理のための体制確保」は6件だった。
医薬品関連として、業務手順書の内容が医療法施行規則に沿ったものでないとして、修正が必要と判断したものが1件だった。指摘のあった病院に対して、翌年度の検査で改善状況を確認する方針だ。