2023年1月の電子処方箋運用開始前の先行導入としてモデル地域に選定されたのは、山形県酒田地域、福島県須賀川地域、千葉県旭地域、広島県安佐地域の4地域。医療機関7施設、薬局39施設を対象とした。
一例として、千葉県旭地域では、国保旭中央病院、調剤薬局マツモトキヨシ、とまと薬局、日本調剤、毎日薬局、ヤックスドラッグなどが選ばれた。施設は今後追加される可能性もあるとしている。
モデル事業は、医療機関や薬局における運用プロセスやトラブル、問い合わせ対応を確立することなどを目的に、10月末から1年間かけて実施する。
効果的な服薬指導を実現するため、重複投薬等のチェックをはじめとした運用面を検証すると共に、電子処方箋を活用した先進的な取り組みや課題、優良事例を収集し、活用方策を取りまとめる。
一方、厚労省はこの日の部会で、14日時点における全国の薬局6万1221施設におけるオンライン資格確認システムの導入状況も公表した。
顔認証付きカードリーダー申込数は5万2085施設(全体の85.1%)、院内システムの改修が完了した施設は3万2576施設(53.2%)、運用開始の準備が完了した施設は2万8621施設(46.8%)で、いずれも病院や歯科診療所における割合を上回っていた。
森昌平委員(日本薬剤師会副会長)は、「モデル事業を通じて確認された課題から対応策をしっかりと検討し、課題があれば運用開始までに解決すべき。それでも解決できない重大な課題が見つかった場合は、導入目標や運用開始時期の再検討も念頭に置く必要もあるのではないか」と指摘した。
佐野雅宏委員(健康保険組合連合会副会長)は、「2025年3月末までに概ね全ての医療機関等に電子処方箋を導入する数値目標をできる限り前倒しで実現すると共に、モデル事業で得られた知見について、重複投薬の防止等の効果にしっかりと生かしてほしい」と求めた。