調査は、認定薬局がどのような役割・機能を果たしているかを把握するため、認定薬局の機能や医療機関等の連携状況、その他の薬局との機能的な違いについて実態調査を行ったもの。
全国3000件(認定薬局1500件、その他の薬局1500件)を無作為抽出して、3月25日から5月8日までウェブ上でアンケートを行ったところ、認定薬局333軒、その他の薬局210軒から回答が得られた。
その結果、勤務している薬剤師数は平均で地域連携薬局が常勤4.0人、非常勤0.9人に対し、それ以外の薬局は常勤2.4人、非常勤0.7人と差が見られた。処方箋枚数の平均は、地域連携薬局が2538.1枚、それ以外の薬局が1388.4枚、在宅患者にかかる処方箋枚数も128.2枚と41.0枚となっており、地域連携薬局のほうが多く処方箋を応需していた。
自薬局で24時間対応体制を整備しているかを聞いたところ、地域連携薬局は90.5%に達していた一方、それ以外の薬局は52.6%となった。地域包括ケアシステムの構築に資する会議の参加率については、地域連携薬局で「出席していない」がわずか2.8%にとどまるのに対し、それ以外の薬局はおよそ半数が参加していなかった。
医療用医薬品の備蓄品目数では、地域連携薬局が1554.3品目、それ以外の薬局が1140.7品目となり、麻薬調剤の実績では地域連携薬局の82.3%が「あり」と回答し、それ以外の薬局の43.3%に比べ大幅に上回った。
医療機関への服薬状況に関する医療機関からの求めに応じた情報提供の実施割合を見ると、地域連携薬局が80.8%、それ以外の薬局が54.0%、医療機関からの求めによらない情報提供でも地域連携薬局が65.9%、それ以外の薬局では39.5%と対応に違いが見られた。
他の薬局との連携や情報共有については、地域連携薬局の21.8%が「していない」と回答したが、それ以外の薬局では49.5%と約半数が実施していなかった。同一グループ間を除いた薬局間連携では、地域連携薬局の36.4%が実施していなかった。
一方、在宅クリニックへのヒアリング調査の結果では、「地域連携薬局、専門医療機関連携薬局などの認定制度については薬剤師以外の他職種で知っている、聞いたことがあると言った人がいない」と認知度の低さが課題として挙げられ、広報や啓発の重要性が示された。
報告書では、「認定薬局は地域の医療計画における医療提供体制の確保や地域包括ケアシステムの構築のために一役を担うことができる。認定薬局の役割や機能のさらなる活用、連携強化のためには情報共有できるシステム構築に対するサポートも必要」と提言している。