政府の「サル痘に関する関係省庁対策会議」の初会合が25日に開かれ、国内で患者発生した場合に備え、検査体制や患者受入体制の準備等の措置を取ることを決めた。世界的な感染拡大に対応するもので、出入国者への情報提供や注意喚起等にも取り組む。
サル痘をめぐっては、スペインや米国など欧米を中心に感染拡大が進んでおり、23日に世界保健機関(WHO)が「公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。
国内で感染者は確認されていないものの、緊急事態宣言を踏まえ、当面の間取るべき措置を初会合で確認した。
具体的には、国内で感染疑いの患者が発生した場合に備え、検査体制と患者受入体制の準備を確実に進める。
また、感染力や病原性、感染が疑われる際の受診方法に関する的確な情報提供、出入国者に対する情報提供や注意喚起も確実に行う。国際連携を密にし、発生国の罹患状況等に関する情報収集にも取り組む。
政府は、曝露後の発症予防・重症化予防に有効とされる天然痘ワクチンについて「十分に備蓄している」としたほか、国内未承認の治療薬「テコビリマット」を投与する臨床研究を国立国際医療研究センターだけでなく、りんくう総合医療センター、藤田医科大学病院、琉球大学病院でも実施していることなどを公表した。