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【薬食審合同部会】ゾコーバ承認は継続審議-「有効性の推定」に該当せず

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2022年07月22日 AM10:05

薬事・食品衛生審議会薬事分科会と医薬品第二部会は20日、塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ錠125mg」(一般名:)について、現行の申請データでは緊急承認制度が適用される「有効性の推定」の条件を満たせないと判断し、全会一致で継続審議とすることを決定した。11月にも塩野義から提出される第III相試験成績の結果を踏まえ、改めて審議を行う方針。

ゾコーバは新型コロナウイルスのプロテアーゼを標的とした経口治療薬。条件付き早期承認の枠組みで2月に承認申請していたが、5月に緊急承認の適用を希望する申請を行った。

6月20日に開催された部会では、抗ウイルス効果を示す一方で、症状改善効果の有意差が認められなかったゾコーバの国内第IIb相試験の有効性評価で意見が分かれ、承認の可否判断を先送りしていた。

この日の合同会議で、医薬品医療機器総合機構()は、第IIb相試験データでは「試験の成功基準を満たしたとは考えにくい」と科学的根拠に基づく有効性の推定には当たらないとの見解を示し、第III相試験データ提出後に改めて審議する「」の扱いとすることを提案した。

承認を可とするケースは、今後の感染拡大や既存の治療薬の効果が期待できない変異株発生時などで「科学的根拠に基づき有効性が推定されると合理的に説明できる場合」とした。

出席した参考人は塩野義から提出された追加データを踏まえ、揃ってゾコーバの承認を推奨した。「オミクロン株に特徴的な呼吸器症状・発熱症状合計スコアで有意に改善した」「症状消失までの時間の短縮傾向を示し、コロナ後遺症のリスク低減が期待できる」など有効性を支持した。

これに対し、委員からはゾコーバの有効性に疑義を呈する声が続出。山口拓洋委員(東北大学大学院医学系研究科医学統計学分野教授)は、「申請者から追加データが提出されたが、副次的な解析結果の解釈は探索的な解釈に過ぎない。PMDAの結果は賛同できる」と緊急承認に否定的な考えを示した。

佐藤俊哉委員(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻医療統計学教授)も「発熱や喉の痛みの症状改善スコアが重要との指摘もあったが、差がないように見え、効果があるとは思えない」と同調した。

一方、安全性についても、催奇形性リスクから神村裕子委員(日本医師会常任理事)が、「妊娠する可能性のある女性にとても怖くて使用できない。パキロビッドと作用機序が同じなら、この程度の有効性の差が出たとしても使いたくないと思う」と述べた。

意見が分かれた場合は多数決で承認可否を決めるとしていたが、継続審議とすることに委員から反対意見は出なかった。既に第III相試験の症例登録は完了しており、データ提出後改めて審議する。緊急承認か通常承認のどちらかになるか現段階では不明という。

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