CDxは、抗癌剤など分子標的薬を投与する前に特定の遺伝子変異があるかを調べ、治療効果の高い患者を選別する診断薬である一方、医薬品横断的CDxは次世代シーケンサーなどで病気の原因となる多数の遺伝子を一度にまとめて調べることができる。
ただ、同一分子マーカーを標的とした医薬品であっても個別にCDxの開発が求められ、個々に既承認のCDxとの同等性試験が必要になるなどの課題が出ていた。
そこで、3月に発出された通知では、要件を満たせば一部変更承認申請で特定の医薬品適応判定に限定しない形で互換使用できるようになった。今回のガイダンスは、3月に発出された通知に関し、企業から新たに横断的CDxの申請があった時に、PMDAが科学的な根拠で製品評価を行うための指針の役割を持つ。他の既承認品目との同等性試験、標準的な方法として確立されている検査などで互換使用できるか該当性を評価する。
医薬品横断的CDxの後続的位置づけの製品については、複数の品目との同等性を見る必要はなく、いずれか1品目での同等性試験の結果があれば承認申請が可能となる。同等性試験は、PCR法や免疫組織化学染色法等に代表される測定原理が同一であることが原則とし、新たな測定原理による製品を開発する場合はPMDAへの事前相談が求められる。
新たな標的分子をターゲットとした医薬品を開発する際に、既存の医薬品横断的CDxを適応判定に使用する場合の分析学的同等性に基づく考え方も示した。医薬品横断的CDxの使用が科学的に妥当と適切に説明できれば、承認申請時に同時申請は不要となる。
既承認の医薬品横断的CDxが臨床試験の患者組み入れ検査として用いられていれば、PMDAに同時申請の要否に関する事前相談も省略できるが、未承認のものを用いる場合は、既承認品目との同等性試験の結果や臨床現場で標準的に用いられる検査との同等性を確認し、PMDAとの対面助言を通じて開発計画や承認申請を相談することが望ましいとした。