厚生労働省は6月30日、フィリピン食品医薬品局(FDAPH)が日本を新薬の簡略審査対象国に指定したと発表した。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査報告書を提出することで、新薬の審査期間が通常の180日から45日に短縮でき、2カ国以上の規制当局で承認されている場合は30日とさらに短くなる。アジア諸国の中で、日本を医薬品簡略審査の対象国に指定したのは、マレーシア、インドネシア、タイ、台湾、インド、ベトナムに続く7カ国目。
製薬企業が日本で承認された新薬についてフィリピンで登録申請を行う場合、日本での承認から3年以内であればPMDAの審査報告書を提出することで審査期間が通常の180日から45日に短縮できる。日本を含めた2カ国以上の規制当局で承認されている場合や、承認後の一部変更申請の場合は30日に短縮でき、早期にフィリピンでの上市を目指せるようになった。
フィリピン側は日本で開発された革新的医薬品などへのアクセスが迅速化されることで、保健医療の質向上に貢献することが期待されている。
今回の指定は、2国間会合やPMDAのアジア医薬品・医療機器トレーニングセンターにおけるセミナー等による実績を踏まえたもの。厚労省とPMDAは、2019年に政府の健康・医療戦略推進本部で決定したアジア医薬品・医療機器規制調和グランドデザインに基づき、アジア諸国の医薬品アクセス向上に向けて取り組んでいる。