薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は22日、塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症経口治療剤「ゾコーバ錠125mg」(一般名:エンシトレルビルフマル酸)に関する緊急承認の可否を行わず、次回行われる薬事分科会・部会合同の審議に結論を先送りした。国内第IIb相の主要評価項目、副次評価項目などの結果を踏まえた有効性の評価が大きな論点となったが、委員から緊急承認に対する賛否両論の意見が出たため、さらに慎重に議論を重ねる必要があると判断した。次回の審議まで少なくとも数週間かかる見通し。
ゾコーバの国内第IIb相試験では、プラセボに対する有意な抗ウイルス効果を示した一方で、症状改善効果では有意差が認められなかった。緊急承認制度を適用する要件として、安全性は「確認」、有効性は入手可能な臨床試験成績から「推定」した上で、医薬品等の承認を可能としているが、初適用となるゾコーバの臨床試験成績が有効性評価の「推定」に該当するかが焦点となっていた。