厚生労働省は、5月21~25日に対面とオンラインのハイブリッド形式で開かれた医薬品規制調和国際会議(ICH)総会の結果を公表した。「臨床試験への妊婦及び授乳婦の組み入れ」について新規トピックの立ち上げが採択され、今後、作業部会の立ち上げが進む予定だ。そのほか、三つのガイドラインが新たな段階に進んだ。
今回の会議では新規トピックの立ち上げについての議論があり、「臨床試験への妊婦及び授乳婦の組み入れ」が採択された。妊婦の臨床試験への組み入れについては、胎児への影響から薬剤投与のリスクが高いと考えられ、通常は選択・除外基準に定められている場合が多い。
各国で妊婦や授乳婦の組み入れは、臨床試験へのアクセス面から関心が高いテーマではあったが、国際的に考え方が統一化されていなかった。
会議で参加メンバーから新型コロナウイルス流行下で、新型コロナウイルス治療薬やワクチンの臨床試験に妊婦・授乳婦をどの程度の規模でどのような形で組み入れるべきか悩む声が聞かれたため、新規トピックとして浮上した。今後、作業部会の立ち上げが進む予定となっている。
ガイドラインが採択され、ステップ4に到達したのは「M10:生体試料中薬物濃度分析法バリデーション」「M8:『電子化コモン・テクニカル・ドキュメント(eCTD)v4.0の電子化仕様について』に関するQ&Aについてv1.7及びeCTDv4.0実装ガイドv1.5」で、ステップ2に到達したのは「M12:薬物間相互作用」だった。
また、今回新たに英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)が迅速プロセスを経てICH規制当局メンバーに承認され、アルジェリア医薬品庁(ANPP)がICH規制当局オブザーバーに承認された。ICHはメンバー20団体、オブザーバー35団体となる。
次回の会合は、11月12~16日に韓国の仁川で対面での開催を予定している。