デンマークのノボノルディスクファーマは18日、全世界を対象に記者会見を開き、その中で新たな糖尿病治療法の研究開発状況を説明した。
研究・早期開発部門エグゼクティブバイスプレジデントのマーカス・シンドラー氏は、1型糖尿病を対象に幹細胞からβ細胞を取り出し、患者に移植する臨床試験が「数年内に実施できる見込みが高くなってきている」と明かした。既に高血糖マウスによる試験では、血糖値を正常値に戻すことに成功したという。
週1回投与のインスリン剤の臨床試験についても紹介し、マーカス氏は「1日1回投与のインスリン剤よりも、さらに良い血糖値のコントロールができた。患者報告アウトカムの結果も良好で、投与を受けた人のQOLが大きく変わったとの報告を受けている」と有用性に期待感を示した。
ラース・フルアーガー・ヨルゲンセン社長兼CEOは、「糖尿病、肥満症、希少疾患、NASH(非アルコール性脂肪肝)やアルツハイマーなどの深刻な慢性疾患を優先対象にして成長を目指している。さらに成長していくため研究開発により力を注ぐ」と話した。