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50歳以上の新型コロナ罹患者、診断後半年間は帯状疱疹発症リスクが高い可能性-GSK

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2022年04月19日 AM11:30

COVID-19罹患は年配者の帯状疱疹発症リスクと関連するか

英グラクソ・スミスクラインは4月6日、米国人約200万人から収集したデータの解析結果から、50歳以上の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患者は、診断後6か月以内に帯状疱疹を発症するリスクが高い可能性があることが示唆されたと発表した。この研究は同社が実施したもので、結果は米国感染症学会の「Open Forum Infectious Diseases」に掲載されている。

帯状疱疹は、水ぼうそうの原因となる水痘・帯状疱疹ウイルス()が体の中で再活性化することで発症する皮膚の病気。50歳以上のほぼ全員に、帯状疱疹の原因となるウイルスがすでに体内に潜んでいる可能性がある。加齢に伴う自然な免疫力低下によって、VZVが再活性化し帯状疱疹を発症する。免疫システムが抑制されている、または損なわれている人は、帯状疱疹の発症リスクが高くなる。

帯状疱疹に罹患すると通常、顔面、胸部、腹部または顔面の左右どちらかに生じる痛みやかゆみを伴う発疹が現れる。帯状疱疹を発症したほとんどの人は急性の痛みを経験するが、それらは灼熱感、または刺すような痛みを伴い、数週間にわたって日常生活に著しい支障をきたすことがある。

50歳以上のCOVID-19入院者、非罹患者に比べ、帯状疱疹の発症リスクが21%高い

研究では、米国における2つの大規模データベースの医療費請求データに基づき、さまざまな既知の帯状疱疹リスク因子を用いて、50歳以上のCOVID-19の罹患者および非罹患者約200万人を比較した(レトロスペクティブ・コホート研究:2020年3月~2021年2月)。帯状疱疹またはCOVID-19のいずれかのワクチン接種者はコホートから除外した。

実際使用したのは“Truven MarketScan Commercial Claims and Encounters,Medicare Supplemental”および“Optum Clinformatics Data Mart”のデータベース。これらのデータベースには、医療費請求、処方薬、外来における臨床検査結果データが含まれる。初めてCOVID-19と診断された患者を、年齢、性別、帯状疱疹のリスク因子および医療費に基づき、対照群と比較。基準を満たした個人集団の中から、COVID-19罹患群の各患者をCOVID-19非罹患群の4例の患者と無作為に比較した。ワクチン接種の状況は、全米医薬品コード(NDC)および診療報酬支払コード(Current Procedural Terminology codes)に基づいている。

その結果、COVID-19に罹患した50歳以上の患者は、COVID-19と診断されなかった対照群と比較して、帯状疱疹の発症リスクが15%高いことがわかった。さらに、帯状疱疹の発症リスクが高い状態は、COVID-19の診断から最長6か月間続くこと、COVID-19で入院した患者では、帯状疱疹の発症リスクが21%高いこともわかった。

COVID-19が免疫細胞を破壊することで、VZV再活性化、帯状疱疹発症を示唆

今回の研究の限界として、請求データに基づくレトロスペクティブ研究に固有のものが挙げられる。研究では潜在的交絡因子をコントロールしているが、交絡因子が残存している可能性がある。例えば、帯状疱疹およびCOVID-19のワクチン接種者を除外したが、一部のワクチン接種がデータベースに記録されていない可能性がある。また、研究対象の2つのデータベースには、メディケイドやメディケア(・アドバンテージ以外)の加入者情報は含まれていないため、結果の一般化に影響を及ぼす可能性があるという。

また、同社の研究グループは、「これまで発表された症例報告と同様、COVID-19が免疫細胞を破壊することでVZVが再活性化し、帯状疱疹を発症することを示唆しているが、この仮説を検証するにはさらなる研究が必要」としている。

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