政府の経済財政諮問会議が13日に開かれ、2022年度診療報酬改定で導入されたリフィル処方箋について、民間議員から「保険者へのインセンティブ措置も活用して、一気に普及・定着を図るべき」との考えが示された。創薬に関しては、薬価、補助金、出資金等のあり方を含めて課題を再整理するよう求めた。
この日の諮問会議では、民間議員が社会保障改革に関する考えを公表した。
医療分野では、リフィル処方箋について、通院回数の削減により患者負担軽減を図るため、「患者側の希望を確認・尊重する形で促進し、保険者へのインセンティブ措置も活用して、一気に普及・定着を図るべき」と求めた。
民間議員の一人は、「医療費の抑制に有用であることは分かっているのだから、やるべきことは国のリーダーシップとしてしっかり取り組むべき」と迫った。
リフィル処方箋に関しては、諮問会議に出席した岸田文雄首相が「コロナ禍での経験や受診行動の変容を踏まえ、新たに導入したリフィル処方箋の使用促進など、医療・介護サービス改革の継続と強化に取り組む」と述べるなど、政府として推進する姿勢を示している。
会議後に記者会見した山際大志郎経済再生担当相は、個人の診療や治療履歴等のデータを一元的に保存するパーソナルヘルスレコード(PHR)が課題になると指摘。
「PHRをやろうとすると、マイナンバーをどう使っていくかという問題も関わってくる。リフィル処方箋を使用した薬剤の投与は喫緊の課題という共通認識を持っているので、内閣としてしっかりと前に進めたい」と述べた。
また、民間議員は、創薬の課題にも言及した。
医薬品産業の付加価値向上に向けて創薬へのインセンティブを強化する方向で取り組みを進めてきたものの、十分な成果を出せていないと問題意識を示した。その上で、「イノベーション力と経済安全保障の強化に対して、国としてしっかり投資していけるよう、薬価、補助金・出資金等のあり方を含め、課題を再整理すべき」とした。