薬剤師の判断と責任に基づき初回でもオンライン服薬指導を実施する場合は、映像と音声による対応を求め、音声のみは不可とした。原則として、かかりつけ薬剤師・薬局がオンライン服薬指導を実施し、全ての処方箋、薬剤で初回から実施が可能になるなどルールを改めた。
従来の医薬品医療機器等法では、オンライン服薬指導を実施する場合、初回は対面が原則となっていた。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う時限的・特例的措置や国家戦略特区でオンライン服薬指導の実施が可能とした規制改革実施計画の実績を踏まえ、薬機法に基づくルール改正を行った。
これまでの薬機法では、「服薬指導計画を策定した上で実施する」とされていたが、新たなルールは服薬指導計画の作成は求めず、実施に当たって服薬に関する必要最低限の情報等を明らかにすることとした。
実施要件として、薬局開設者はオンライン服薬指導の実施に関して、その都度、薬剤師の判断と責任に基づき、行わせることを明記した。
初回での実施、処方内容に変更があった患者に対してオンライン服薬指導を行う場合は、▽お薬手帳に基づく情報▽処方箋を発行した医師の診療情報▽患者から聴取した併用薬や副作用歴――など服薬状況を把握した上で実施するよう求めた。
注射薬や吸入薬など使用に当たり手技が必要な薬剤については、受診時の医師による指導の状況や患者の理解度に応じ、薬剤師がオンライン服薬指導の実施を困難とする事情がないか確認する。
また、オンライン服薬指導を行わないと判断した場合には対面服薬指導を促すことや、オンライン服薬指導時の情報漏洩に関する責任の所在を明確にすることなど患者に必要な説明を行った上で、オンライン服薬指導を実施する必要があるとした。
初診からオンライン診療を実施する医療機関に関しては、麻薬や向精神薬の処方が行われていないかを確認し、疑義がある場合は処方した医師に遵守しているかを確認するとした。
薬剤師がオンライン服薬指導を行う場所は「調剤を行った薬局内」とし、対面による服薬指導が行われる場合と同程度にプライバシーに配慮することとした。一方、患者がオンライン服薬指導を受ける場所は、適切な服薬指導を行うために患者の心身状態を確認する観点からプライバシーが保たれるよう配慮する一方、患者の同意があればその限りではないとしている。
本人の状況確認については、原則として、薬剤師と患者双方が身分確認書類を用いて、薬剤師は薬剤師であること、患者は患者本人であることの確認を行うよう求めた。
患者が処方箋を薬局に送付することを希望する場合、医療機関は薬局に処方箋を直接送付することが可能。処方箋原本が届くまでの間、薬局はFAXやメールで送付された処方箋で調剤を行うことができ、医療機関から入手した処方箋原本はそれ以前にFAXやメールで送付された処方箋情報と共に保管する。
新型コロナウイルス感染症が収束するまでの間は、オンライン服薬指導の時限的・特例的対応(0410事務連絡)を継続する。