調査結果は、「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」で公表したもの。日薬のオンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤に関する研修を修了した薬剤師が在籍する薬局1395軒を対象に、2021年12月から1カ月かけて実施。823軒から回答を得たもの。
その結果、調剤を実施したのは11軒にとどまった。11軒のうち、「お薬情報提供文書」を用いた情報提供を行ったのは10軒、性犯罪や性暴力に関する相談窓口となるワンストップ支援センター、警察等に相談、紹介した事例は確認されなかった。
調剤に関する体制整備の面では、緊急避妊薬を在庫している薬局は501軒だった一方、在庫していないのは231軒に上った。91軒は、「近隣薬局と連携して速やかに対応できるよう準備している」とした。
また、地域のワンストップ支援センターの連絡先を把握していない薬局は504軒で、把握している薬局319軒を上回った。調査結果を踏まえ、日薬は「薬局では対面で必要な情報が確実に提供され、適切に緊急避妊薬を服用できていた」と評価した。
ただ、緊急避妊薬の在庫に関しては、研修修了者の異動や休職・退職、緊急避妊薬の期限が切れた後に在庫をしていないなど、情報に変更があったにも関わらず、更新されていない事例があったと指摘。
対応策として、緊急避妊薬の備蓄と地域で必ず調剤に対応できる体制構築を確実に行うこと、薬局の対応状況に変更があった場合は速やかに修了証を発行した都道府県薬剤師会に連絡して名簿修正を求めることなどを研修修了者に周知するよう都道府県薬剤師会に依頼したと説明した。
また、ワンストップ支援センターの連絡先を半数以上の薬局が把握していないとの結果については、修了者にワンストップ支援センターと連携するよう再周知すると共に、発信場所から最寄りの支援センターにつながる全国共通短縮番号を周知するとした。