厚生労働省は11日、後発品の品質検査を実施する2020年度「後発品品質確保対策事業」の検査結果を公表した。36成分528品目を対象に、溶出試験と定量・力価試験を実施。2成分3品目が都道府県の溶出試験で規格値を下回っていたが、製造販売業者の再試験で規格に適合していることが確認されたことなどを踏まえ、全成分全品目が規格に適合していると評価した。
20年度の後発品品質検査は、国立医薬品食品衛生研究所、国立感染症研究所、36都道府県、関係業界団体の協力を得て、20年7月~21年3月まで行った。
参照品目として先発品31成分83品目を含む、アリピプラゾール、バルサルタン・ヒドロクロロチアジド、リツキシマブなど36成分528品目を対象に品質検査を実施。その結果、36成分525品目を承認書に定める規格に適合とし、2成分3品目については、都道府県における溶出試験で規格値を下回った。
規格値を下回ったのは、シロドシンを有効成分とする辰巳化学の「シロドシン錠4mg『TCK』」、陽進堂の「シロドシン錠4mg『YD』」、ニトレンジピンを有効成分とするニプロの「ニトレンジピン錠5mg『NP』」。
溶出試験実施後、製造販売業者が参考品を再度試験したところ、規格に適合していることが確認された。都道府県と製造販売業者で試験方法を精査したが、不適切な試験操作は確認されなかった。また、都道府県が製造販売業者に立入調査を行った結果、溶出性に影響を与える問題も見られなかったとしている。
そのため、厚労省は、検査対象となった全成分全品目が規格に適合していると結論づけた。