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【薬害オンブズ会議】緊急承認制度に反対表明-「使用許可」の運用要求

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2022年03月14日 AM11:30

薬害オンブズパースン会議は7日、医薬品等の緊急承認制度に対する意見書を厚生労働省に提出した。既存の条件付き承認制度等の問題点を総括しない限り新制度の創設に反対する考えを示したほか、承認ではなく、米国と同様に「」にとどめることなどを求めた。

意見書は、今通常国会に提出されている医薬品医療機器等法の改正法案に盛り込まれた緊急承認制度に対するもの。

具体的には、医薬品の条件付き承認制度、再生医療等製品の条件・期限付き承認制度、特例承認制度の運用における問題点の総括なしに緊急承認制度を創設することに反対した。背景として、条件付き承認制度等の運用実態を踏まえると例外的制度が適切に運用されることは困難とし、新たな薬害の温床になる危惧を払拭できないとしている。

総括すべき医薬品等の例として、抗インフルエンザウイルス薬のアビガンとゾフルーザ、脊髄損傷向け細胞製剤のステミラック注、抗癌剤のイレッサを挙げ、「有効性が不十分な医薬品等が供給され、被害が生じた」と批判した。

また、有効性の検証が行われていない医薬品に承認が与えられることは承認薬の意義を曖昧にし、信頼基盤を失わせるとして、米国の緊急使用許可(EUA)と同様に、承認ではなく「使用許可」にすべきとした。

仮に緊急承認する場合、改正法案が示す適用要件が漠然としているとして、パンデミック、原子力事故、バイオテロなどを一例として加え、緊急事態への対応を想定した制度であることを明確にするよう求めた。

期限の延長については、延長を繰り返していては期限を設けた意味が失われるとして、1回に限定すべきとした。

期限内に改めて行う承認申請については、医薬品は検証的臨床試験による有効性・安全性の確認を経た上で承認するのが大原則として、通常の申請と同様に検証的臨床試験成績の提出を求めるべきとした。

改めて承認申請が行われた場合の承認審査期間の上限も定め、審査中を理由に緊急承認の効力が徒に続くことのないようにすべきとした。

 

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