厚生労働省は2月28日付の事務連絡で、ファイザーの新型コロナウイルスに対する経口抗ウイルス薬「パキロビッドパック」(一般名:ニルマトレルビル/リトナビル)について、同日から院内処方が可能な医療機関にも配分対象を拡大したことを自治体に周知した。引き続き、都道府県が選定した薬局、新型コロナ病床確保医療機関も配分依頼でき、一部医療機関では一定数の在庫を配置することも可能となった。
事務連絡では、医療機関の登録を円滑に進める必要があるとして、院内処方が可能な全国の病院、有床診療所を配分対象に加えた。
都道府県が選定した「パキロビッド対応薬局」、コロナ患者受け入れ確保病床を有する医療機関(新型コロナ病床確保医療機関)も引き続き配分対象とし、新型コロナ病床確保医療機関では、院内および院外処方が可能としている。
その上で、これら医療機関等以外の医療機関、薬局への配分については、今後速やかに取り扱いを示すとした。
試験運用期間中は必要以上の配分依頼は控えるよう求めていたが、患者を集中的に受け入れて直ちに同剤を投与する必要がある場合に確実に対応できるよう、都道府県が選定した医療機関に限定して、予め一定数の在庫を配置することも可能とした。
また、コルヒチン投与中の患者を除いた中等度の腎機能障害患者に対しては、用法・用量が異なるため、処方箋を分かりやすく記載するよう求めた。
同剤をめぐっては、リトナビルに多数の併用禁忌薬が存在し、医師や薬剤師が処方や調剤を行う上で患者が服用中の全ての薬剤を確認する必要があるため、2月27日までを運用実績の蓄積を目的とした試験運用期間に指定。同期間中は、新型コロナ病床確保医療機関、パキロビッド対応薬局に限定し、製造販売業者に配分を依頼できた。