小野薬品は2月28日、抗PD-L1抗体「オプジーボ」の特許権を侵害したとして、類似薬の「イミフィンジ」を販売するアストラゼネカに対して、約320億円の支払いを求める損害賠償請求訴訟と販売差し止め請求を東京地方裁判所に提起した。
癌を治療する用途特許の侵害の有無をめぐって、国内特許を根拠に争う。海外における訴訟提起は未定。小野は、アストラゼネカからロイヤルティなどを含め、適切な対価が支払われる合意が得られれば、販売差し止め請求を取り下げる方針。患者の生命救済に関わることを考慮した。
小野は、2016年にもオプジーボの特許権侵害を理由に、類似薬の「キイトルーダ」を販売する米メルクに対して訴訟を提起。17年に和解し、ライセンス契約を締結した。
キイトルーダの販売を許諾すること、小野と米ブリストルマイヤーズスクイブに頭金6億2500万ドル、26年末までロイヤリティが支払われることに合意し、各国での訴訟を終えた。