後藤茂之厚生労働相は22日の閣議後会見で、グラクソ・スミスクライン(GSK)の中和抗体薬「ゼビュディ」(一般名:ソトロビマブ)など複数の新型コロナウイルス感染症治療薬の納入時期を前倒しすることを明らかにした。その上で、「レムデシビルなど他の薬剤が活用可能な場合は、引き続き検討をお願いしたい」と述べた。
GSKのゼビュディについては、3月上旬に納入予定だった8万人分を前倒し、今週中に納入されると説明。このうち、既に4万人分は21日から医療機関に配送を開始しており、残り4万人分は24日にも配送準備が整うとした。
同剤は、2月上旬までに9万人分が納入されており、計7万2000人以上に投与されている。今回の前倒し分を加えると、合計納入量は17万人分となった。
MSDの経口治療薬「ラゲブリオ」(モルヌピラビル)に関しては、3月までに80万人分が納入される予定だったが、前倒して2月末までに14万人分が納入されることになった。納入済みの35万人分と合わせた納入量は49万人分となる。
さらに、10日に特例承認されたファイザーの経口治療薬「パキロビッドパック」(ニルマトレルビル/リトナビル)については、既に4万人分が納入されているが、2月末までに8万5000人分が追加納入されるとした。
同剤では併用禁忌の薬剤が多数あるため、27日までは限られた医療機関と薬局に配分する試験運用期間としている。現時点で1800超の医療機関に5000人分以上配分され、280人分が投与済みという。
後藤氏は「医療現場では、患者の状態や薬剤の特性に応じて適切に治療薬を選択、活用してほしい。政府も治療薬の確保と供給に、引き続き最大限努力していく」と語った。