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【厚労省】自治体選定の薬局に限定-「パキロビッド」配分方法

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2022年02月18日 PM12:15

厚生労働省は、新型コロナウイルスに対する経口抗ウイルス剤として特例承認したファイザーの「パキロビッドパック」について、27日までの試験運用期間中における配分方法を自治体向けの事務連絡で示した。都道府県が選定した薬局等のみが、製造販売業者が設置したセンターを通じて配分依頼できる。期間中の実績を踏まえ、28日以降に配分対象機関を拡大する。

(一般名:ニルマトレルビル/リトナビル)は軽症から中等症患者向けの経口治療薬として10日に特例承認されたが、リトナビルには多数の併用禁忌薬が存在する。

そのため、医師や薬剤師が処方や調剤を行う上で患者が服用中の全ての薬剤を確認する必要があるとして、27日まではコロナ患者受け入れ病床を有する全国2000の医療機関(新型コロナ病床確保医療機関)に限定して院内処方で提供する一方、病院と薬局の連携による試験的な院外処方も並行して実施。その上で、28日以降に薬局での提供も開始する方針としている。

事務連絡では、27日までを「試験運用期間」と位置づけ、期間中の具体的な配分方法を明記した。

配分を依頼できる医療機関・薬局は、新型コロナ病床確保医療機関と、都道府県が選定したパキロビッド対応薬局に限定。製造販売業者が開設した「パキロビッドパック登録センター」に登録し、同センターを通じて依頼する。対象医療機関等以外からの配分依頼、必要以上の配分依頼、対象患者以外への投与は控えるよう求めた。

パキロビッド対応薬局の選定については、都道府県が医師会、薬剤師会、医薬品卸販売業者など関係者と連携した上でリストアップし、必要に応じて患者のかかりつけ薬剤師・薬局、過去に利用したことのある薬局とも連携する。

対応薬局は、▽服薬指導等の実施や薬剤の広域な配送に対応できる▽夜間、休日、時間外、緊急時の対応が可能▽各都道府県内の新型コロナ病床確保医療機関と緊密な連携が取れる――を全て満たすことを要件とした。薬局リストは、地域の新型コロナ病床確保医療機関と共有する。

また、同剤は併用禁忌と併用注意の薬剤が多数あることから、処方の際には患者が服薬中の薬剤を全て確認することとした。

コルヒチン投与中の患者を除いた中等度の腎機能障害患者については、用法・用量が異なるため、ニルマトレルビル錠2錠のうち1錠を取り除き、取り除いた部分に専用シールを貼付するほか、重度の腎機能障害患者への投与は推奨しないことも明記。投与後は定期的にフォローアップを行うよう求めている。

製造販売業者に対しては、試験運用期間中における対象医療機関等での投与実績を確認し、より安全に投与できる環境を整えることとした。

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