ポータブルスプラッシュシールド、日本船舶薬品から発売
岡山大学は2月14日、救急現場で使用できるウイルスシールド「ポータブルスプラッシュシールド」を共同開発したと発表した。この研究は、同大病院救命救急科の塚原紘平助教、株式会社ハイビックスの研究グループによるもの。研究成果は、「Critical care」に掲載されている。なお、同製品は、2月14日に日本船舶薬品株式会社から発売された。
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コロナ禍において、病院前救護は患者を医療機関に運ぶ入り口の一つ。活動する救急隊は常に感染のリスクにさらされており、全国的に救急隊員が感染したケースも珍しくない。そのような環境下で救急隊の活動を支持し、かつ安全を担保するシールド(防護具)の開発が求められている。
バルーン素材使用のエア式で軽量、救急車内で簡単に組み立てが可能
研究グループが今回開発した製品「ポータブルスプラッシュシールド」は、バルーン素材を使ったエア式で軽量のため、救急車内で簡単に組み立てが可能。天面(患者の頭の側)は、患者を観察しやすいよう角度をつけており、吸引コネクタを接続できるポートを備えている。また、側面は手技窓やカーテンシートを備えているという。患者の容体に応じて、仰臥位や半坐位で使用できるほか、気道確保等の手技の際にもシールドが邪魔にならずに使用できる。
ポータブルスプラッシュシールド内に患者の頭部を収容することで、患者からの飛沫を防御することができる。救急隊の処置をスムーズにするため、視認性の改善と手技窓による操作性の改善を目的に試作を繰り返したという。また、シールド内に滞留するエアロゾルに関しては、天面の吸引機構を用いて吸引することで、エアロゾルを軽減することを証明したとしている。
今後も、病院前救護における安全性を高める研究開発を推進
今回の研究成果は、新型コロナウイルス感染症だけでなく、未知の微生物にも応用できると期待される。研究グループは今後も、病院前救護における安全性を高める研究開発を進めていくという。
なお、岡山大学病院は「オープンイノベーションと事業化推進を目指した医療機器開発中核拠点整備」を推進している。これからも、新たな医療機器等の研究開発や社会実装を支援することで社会に貢献していくとしている。
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