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【厚労省】ファイザー経口薬を特例承認-コロナ軽症者向けで2剤目

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2022年02月14日 AM10:15

厚生労働省は10日、ファイザーの新型コロナウイルスに対する経口抗ウイルス薬「」(一般名:)を特例承認した。新型コロナウイルス感染症の軽症者向け経口抗ウイルス薬では国内2番目の承認となり、きょう14日から医療現場で投与を開始する。リトナビルには高血圧や高脂血症の治療薬など多数の併用禁忌薬があり、医師や薬剤師が処方や調剤を行う上で患者が服薬中の全ての薬剤を確認する必要があるため、27日まではコロナに罹患した患者の診療を行う全国2000の医療機関に限定し、院内処方で提供する方針。

ファイザーが1月14日に承認申請し、10日の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で特例承認が了承された。厚労省はファイザーから200万人分の供給を受けることで最終合意しており、既に4万人分が輸入され、今月下旬には追加納入する予定だ。

後藤茂之厚生労働相は同日、特例承認後に記者団に対し、「(軽症者向けコロナ経口薬承認第1号の)モルヌピラビルとは作用の仕組みも異なり、オミクロン株の拡大が続く中、高齢者や基礎疾患を持つ患者への治療選択肢が増え、対策の推進に寄与することが大いに期待される」と述べた。

パキロビッドパックは、新有効成分の新型コロナウイルスに対するメインプロテアーゼ阻害剤「ニルマトレルビル」とリトナビルを併用した抗ウイルス薬。ニルマトレルビルがメインプロテアーゼを阻害することでウイルスの複製を抑制し、リトナビルは新型コロナウイルスに対する抗ウイルス活性はないものの、ニルマトレルビルの代謝を阻害し、その濃度を増加させる作用を発揮する。

投与対象は、新型コロナウイルス感染症の重症化リスク因子を持つ軽症から中等症Iの患者。用法・用量は、成人と12歳以上かつ体重40kg以上の小児にはニルマトレルビルとして1回300mg、リトナビルとして1回100mgを同時に1日2回、5日間経口投与する。

国際共同第III相試験の中間解析では、入院・死亡に至った被験者の割合がプラセボ群に対し、89%のリスク減少率を示した。ただ、リトナビルは併用薬剤と相互作用を起こすことから併用禁忌が多く、併用注意にはタバコも含まれ、使用する患者は禁煙が必要だ。

後藤氏は、部会で専門家から「慎重な投与が必要」との意見が出たことから、「日本医師会や日本薬剤師会とも連携し、段階的に医療現場への提供を進めていきたい」と述べた。27日までは院内処方で提供するが、病院と薬局の連携による試験的な院外処方も並行して実施し、使用可能な患者の見極めなどを含め使用実績を積み上げた上で、28日以降は薬局での提供も開始する。

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