薬剤師の地域偏在解消に向け、都道府県が薬剤師確保策に乗り出す。厚生労働省は各都道府県に、地域医療介護総合確保基金を活用し、修学資金を貸与した薬剤師には当該都道府県内の医療機関に一定期間就業する条件で、返済義務を免除するとの考え方を提示。薬学生向けに地元薬剤師の活動を紹介し、県内薬局への就業につなげる取り組みや県内出身者に対するUターン・Iターン就職の働きかけを強化する。
2021年に取りまとめられた厚労省の「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」の報告書では、将来的に薬剤師が余剰となる一方、薬剤師の地域偏在で薬剤師確保が困難な地域が出てくると指摘。これを受け厚労省は2021年12月、地域医療介護総合確保基金を活用した薬剤師修学資金貸与事業の取り扱いに関する通知を発出し、都道府県が修学資金を貸与した薬剤師は当該都道府県の医療機関に原則として貸与期間の1.5倍以上就業することを返済義務免除条件とした。