薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会は10日、ファイザーの新型コロナウイルスに対する経口抗ウイルス薬「パキロビッドパック」(一般名:ニルマトレルビル/リトナビル)の製造販売承認を審議する。承認されれば、新型コロナウイルス感染症の軽症者向けでは2番目の経口薬が国内で登場することになる。
パキロビッドパックは、新有効成分のニルマトレルビルとリトナビルを併用で用いる。ニルマトレルビルは、ウイルスの増殖に必要な酵素である新型コロナウイルスのメインプロテアーゼの作用を阻害するよう設計されており、同剤の代謝を遅らせるリトナビルを併用することで重症化を軽減し、発症を予防する。
ファイザーは、国際共同第II/III相試験の結果をもとに1月14日、特例承認の枠組みで承認申請を行っていた。新型コロナウイルス感染症の軽症者に対する経口治療薬は、2021年12月にMSDの「ラゲブリオ」(一般名:モルヌピラビル)が承認され、患者への投与が始まっている。
厚労省は1月31日、ファイザーから同剤について年内に約200万人分の供給を受けることで最終合意書を締結。国内承認が前提で、承認後速やかに4万人分が納入される予定としている。