厚生労働省は、被験者の来院に依存しない治験(分散化臨床試験:DCT)が国内で実施できるよう規制の整備を進めている。医師が被験者に治験に関する説明や同意取得を非対面・遠隔で実施するためのガイダンスを来年度中に策定するほか、被験者宅で採血や検査など訪問看護の活用機会を拡大するため、来年度上期までに必要な措置を講じる。一方で、治験依頼者から被験者に治験薬を直接配送する環境整備は早期実現が難しい情勢だ。
臨床試験をめぐっては、被験者が実施医療機関に来院することなく、インターネットやIoTなどの技術や手法を用いて実施するDCTへのニーズが高まっている。被験者に対しては、来院など治験参加の負担を減らすことで参加機会を提供し、治験依頼者はより短期間で被験者を集積できるため、コスト削減や治験実施期間の短縮につながる可能性がある。