後藤茂之厚生労働相は28日の閣議後会見で、中等症・重症患者向けの新型コロナウイルス感染症治療薬「レムデシビル」を軽症患者に投与することを認める方針を示した。オミクロン株への効果が示唆されたことを踏まえたもので、適応外使用の扱いとなる。
後藤氏は、同方針に沿って、27日付で厚労省の「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」を改訂し、都道府県等の自治体に周知したと説明。
具体的には、薬物療法の項目におけるレムデシビルの記載内容について、重症化リスク因子のある発症7日以内の軽症・中等症I患者を対象としたランダム化比較試験で、同剤を3日間投与した治療群がプラセボ群と比べてコロナ関連の入院・死亡を87%減少させたとした。同試験の結果を踏まえ欧州と米国では、酸素投与が不要な重症化リスク因子のある患者への適応拡大が認められている。
12歳以上で体重40kgを超える軽症患者への投与方法として、投与初日に200mg、投与2日目・3日目には100mgを1日1回点滴静注する。
ただ、投与時に注意すべきこととして、軽症患者に対する3日間投与は適応外使用になるため、各医療機関で必要な手続きを行うよう求めている。
後藤氏は、「レムデシビルはオミクロン株への効果が示唆され、軽症者に対する選択肢が広がると思う。引き続き必要な人に確実に届くよう取り組みたい」との考えを示した。