厚生労働省は21日、ファイザーの新型コロナウイルスワクチン「コミナティ筋注5~11歳用」(一般名:コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン)の製造販売を特例承認した。20日の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で了承されたもので、26日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で臨時接種に位置づけるかどうかを議論する予定。
同ワクチンは新型コロナウイルスによる感染症の予防を効能・効果とし、接種対象者を5歳以上11歳以下の人としている。接種対象者数は約700~800万人。
投与量が既製品の3分の1に設定された。小児専用製剤として濃度が従来の半分に調整されており、1回量を正確に採取することが可能となった。
用法・用量は、生理食塩液1.3mLで希釈後、1回0.2mLを合計2回、通常は3週間隔で筋肉内に接種する。
1回目接種から3週間を超えた場合、できる限り早期に2回目接種を行い、同一の効能・効果を持つ他のワクチンと混同せずに2回接種することとした。
小児向け接種に関する臨床試験の結果では、中和抗体価について、5~11歳の2回目接種1カ月後の値は1197.6で、16~25歳の2回目接種1カ月後の値1146.5に対して約1.04倍であり、非劣性が示されたとしている。
また、中和抗体価の確認後に実施された解析では、2回目接種後7日以降における発症予防効果は90.7%とした。
ただ、小児に対する接種を不安視する保護者の声も少なくないため、厚労省は「有効性・安全性に関する情報提供を製造販売業者と国で行いたい」との考えを示している。
一方、厚労省は中外製薬の関節リウマチ治療剤「アクテムラ点滴静注」(トシリズマブ)の効能・効果に、「新型コロナウイルス感染症による肺炎(ただし、酸素投与を必要とする患者に限る)」を追加する一部変更も同日に承認した。