同製品は、オンコタイプDX乳癌再発スコア検査で得られる遺伝子増幅曲線を専用ウェブサイトで医師が確認し解析を指示することにより、癌が遠隔再発するリスクと化学療法の効果を提示し、化学療法が必要かどうか判断を補助する機能を持つ。米ジェノミックヘルスが開発したリアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応を用いる検査と日本向けに開発したソフトウェアを組み合わせた製品となっている。2021年8月に薬事承認を取得し、同11月の中医協総会で同12月1日に保険適用を受けることが了承されていた。
厚生労働省は米国側の分析結果を抽出して、日本側へ表示する日本向けソフトウェアが審査の過程で使用目的(検査対象患者)を限定したことに伴い、承認条件としてプログラム変更を販売開始までに行うよう同社に指示していた。
ただ、同社のガバナンス体制に不備があり、必要な情報が関係者に共有されていなかった結果、上市予定日までに当該ポータルの不具合の修正や検査フローに基づく動作確認試験が完了しなかった。
厚労省は、同社が正当な理由なく安定供給が困難な事態を遅滞なく報告しなかったことから、企業からの再発防止策等の改善策が示されない限り、医政局経済課において今後の保険適用の手続きを留保するとの対応方針を示した。委員から反対の声は出なかった。
プログラム医療機器をめぐっては2021年12月の中医協総会で、「企業が予定までに開発できなかった原因を調査し、薬事承認から保険適用に至るまでのプロセスにおいて、今後の再発防止対策を講じるべき」との意見が厚労省に出されていた。
厚労省はこの日の総会で、プログラム医療機器について薬事の審査過程で改修が指示され承認されたものについては、承認後上市までの間に、指示に従って改修・検証されたことを医薬品医療機器総合機構(PMDA)が確認するとの再発防止案を示した。
医薬・生活衛生局医療機器審査管理課は、経済課に対して、承認時に改修予定品目を伝達すると共に、指示通りに改修・検証されたことの確認結果(書面)を共有する。
また、保険適用のプロセスにおいては経済課は確認結果(書面)を把握した後で、改めて保険適用時点においてもプログラムが稼働できることを確認するため、企業より自己宣言書の提出を求めた上で、保険医療材料等専門組織に諮ることとした。