同会議は候補成分に対するOTC化の可否判断を行ってきたが、要指導・一般用医薬品としての必要性や課題を抽出し、薬事・食品衛生審議会要指導・一般用医薬品部会に意見として報告した上で、同部会が可否を判断する枠組みに変更。この日の会合はスキームを変更して初めて議論した。
武田薬品のロゼレム錠については、比較的安全な薬剤とされているものの、他の薬剤との相互作用や過剰な服用につながる恐れがあるとして、日本神経学会や日本精神神経学会が「OTC化は妥当ではない」との意見を表明。
湯浅章平構成員(章平クリニック院長)が「短期間で効く薬剤ではなく、ある程度経験がないと使いこなすのは難しい。睡眠剤がとにかく必要と訴える患者も多いので、全てを薬剤師に任せるには無理がある」と述べた。岩月進構成員(日本薬剤師会常務理事)は、OTC化する場合は濫用への対応策が必要と訴えた。
サンファーマの褥瘡治療剤「オルセノン軟膏」に関しては、スイッチOTC化が実現すれば初の床ずれに対するOTC医薬品となる。ただ、長島公之構成員(日本医師会常任理事)が「高齢者で身体が不自由な場合は他の疾患を抱えている場合もあるし、定期的な診察を行う際に処方すれば良いのでOTC化するメリットがない」と指摘。
堀恵構成員(ささえあい医療人権センターCOML委員バンク登録会員)も、「オンライン診療で薬剤を処方できる状況で、OTC化する意義が不明だ。疾患が治ってきた段階なら、かかりつけ医等にアプローチして何かしらの治療が行われている」とした。
一方、共和薬品の片頭痛・緊張性頭痛治療剤「ミグリステン錠」(ジメトチアジンメシル酸塩)については、販売開始から半世紀が経過して有効性等が確認されていることなどを踏まえ、OTC化に賛同する声が多かった。
そのほか、佐藤製薬の駆虫剤「コンバントリン」(ピランテルパモ酸塩)、グラクソ・スミスクライン(GSK)のアレルギー性鼻炎治療剤「ザイザル」(レボセチリジン塩酸塩)、GSKが製造販売しているアレルギー性鼻炎治療剤「アラミスト点鼻液」(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)についても肯定的な意見が占めた。