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【文科省連絡会議】薬学実務実習指針見直しへ-改訂前に教育効果検証

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2022年01月12日 AM10:15

文部科学省の薬学実務実習に関する連絡会議は7日、2015年に策定された「」について改訂することを了承した。改訂前に実務実習の教育効果に関する調査などを通じて現行の指針を評価し、実務実習や実習施設等に対する評価の方法・基準などを見直す。今後、具体的な改訂内容を引き続き議論する予定である。

現行指針は、薬学実務実習等を適正に実施するために策定され、大学や実習施設に向けて実習のあり方や目標、実習施設における薬剤師の指導体制、具体的な実習内容、実習に対する評価のあり方などを記載している。指針が現場で正しく運用されているかなど評価の方法や基準については関係者の意見を踏まえ、必要に応じて定期的に見直し、改訂を行うとしている。

指針の作成から7年が経過し、薬学教育モデル・コアカリキュラムが来年度に改訂予定であることも踏まえ、この日の連絡会議では指針に対する評価の必要性も含め、改訂の方向性について意見交換を行った。

鈴木匡氏(名古屋市立大学教授)は「指針に関する評価を早急に取りまとめないと次期指針、コアカリに反映できないと危惧する」と述べ、現行指針の検証が前提との考えを示した。

具体的には、指針に教育効果があったかどうかを大学や薬局等を対象に調査すること、学生の臨床的能力が向上したか検証することなどを求めた。

さらに、現行指針に記載されている実習施設の指導薬剤師に対する評価が正しく行われているか点検することが、実務実習の質を担保する上で重要な課題と位置づけた。

鈴木氏は「大学施設に対しては第三者評価が行われているが、病院や薬局の指導薬剤師の実習については具体的に評価がされていない。学生が病院や薬局で実習をきちんと行えたかの評価も指標を示して実施すべきではないか」と述べた。

これに対し、長津雅則氏(日本薬剤師会常務理事)は「実習施設の評価は大切」としつつ、「(薬局や病院では)かなりの労力を割いて実習を受け入れている現実があるので、実習施設の確保すら難しくなることに結びつかないような方法論が大事」と述べ、評価方法については慎重に検討すべきとした。

長津氏は、薬局や病院で勤務経験のある実務家教員の重要性も指摘し、指針改訂の課題に位置づけるよう注文を付けた。長津氏は、「基礎系の教員と薬剤師の狭間を埋めてくれる存在だが、現在の薬局業務を理解できていない実務家教員がいるのではないか。薬局を経験した教員数も圧倒的に少ない」とした。

鈴木氏も「教育、研究、臨床に対応できる人材が枯渇しているが、病院や薬局が積極的に素晴らしい人材を推薦して教育に充てれば、より活性化する」との考えを示した。

西島正弘氏(薬学教育評価機構理事長)は、「薬局薬剤師を大学の非常勤講師にすることで薬局薬剤師の意識の持ち方も変化すると思う。今後の課題に位置づけるべき」と述べた。

 

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