滋賀県薬務課は2021年12月24日、承認事項と成分分量が異なる製品を製造販売したとして日新製薬(甲賀市、持田弘社長)に対し、医薬品医療機器等法に基づき業務停止命令を下した。業務停止期間は同日から第2種医薬品製造販売業を75日間、医薬品製造業を70日間。再発防止策などの改善計画を1月23日までに提出するなどの業務改善命令も下した。
県薬務課によると、日新製薬が製造する滋養強壮液や感冒薬など5品目について、必要な承認変更手続き等を経ずに有効成分の減薬や、承認書に記載のない成分や添加剤が使われていたという。県の立入調査時に虚偽の製造指図書、製造記録、出納記録を作成報告していた。また、医薬品総括製造販売責任者が、こうした事実を認識していたにも関わらず、品質管理業務が適切に行われていなかった。2021年10月に匿名の投書を受け、県が無通告立入調査を実施したところ事実関係が発覚した。
違反品目は、滋養強壮薬の「ビイレバーキング」「ビイレバーキングS」。内服用男性ホルモン剤「強力バネロス」、生薬配合胃腸内服剤「ニシベリンA」、感冒薬「ニシミドン液小児用」の5品目で、20~30年前から承認書と異なる製造が行われていたという。これら製品は2020年10月に原料試験が一部適切に実施できていなかったことから、製造した全てを自主回収しており、健康被害は報告されていないという。