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直近の新型コロナ感染状況(12/28現在)、実効再生産数は1以上が継続-感染研

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2022年01月05日 AM11:15

新規感染者数は先週比1.51、増加が3週間以上継続

国立感染症研究所は12月28日、第65回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(2021年12月28日、)の報告による、日本における新型コロナウイルス感染症の状況等について発表した。

まず感染状況について、全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約1.3と、依然として非常に低い水準であり、新規感染者が確認されない日が継続している地域もある。一方、都市部を中心に新規感染者数の増加が見られることに加え、一部の地域では、社会福祉施設、医療機関でのクラスターや感染経路不明事案の発生による一時的な増加もあり、直近の今週先週比は1.51となっており、増加が3週間以上継続している。複数の地域でオミクロン株の感染が確認されており、海外渡航歴がなく、現時点で感染経路が不明である事案も確認されている。実効再生産数は、全国的には、直近(12/12時点)で1.21と1を上回る水準が継続しており、首都圏では1.22、関西圏では1.06となっている。

年末年始は検査件数が少ないことに留意を

全国の新規感染者数は依然として非常に低い水準となっているが、デルタ株による感染伝播は継続し、増加傾向にある。特に、東京都と神奈川県においては、今週先週比1以上が2週間以上継続している。また、夜間滞留人口について、東京都では引き続き、2020年10月末に記録した最高水準付近を推移している。今後、さらに気温が低下し、屋内での活動が増えていく。また、年末・年始に普段会わない人々との交流が増えたり、人の移動が活発化したりすることにより、感染が急拡大するおそれがある。このため、休暇の前後を含めて感染リスクの高い活動を控え、できるだけ少人数での活動に抑えることが必要。なお、年末・年始は検査件数が通常よりも少なくなることにより、感染動向の把握について留意が必要。

オミクロン株は急速な感染拡大を想定すべき状況

オミクロン株は、世界各地で検出されており、これまでの変異株では見られなかったような急速な感染拡大が見られている。日本においても、地域で一定規模の伝播が起きている可能性があり、今後、感染拡大が急速に進むことを想定すべき状況にある。

オミクロン株について、国際機関や諸外国から、ウイルスの性状や疫学的な評価に関する暫定的な報告がされている。現時点で得られる情報は限られているが、南アフリカや英国等において流行株がデルタ株からオミクロン株に急速に置換されており、伝播性の高さが懸念される。また、デルタ株に比して、世代時間、倍加時間や潜伏期間の短縮化、二次感染リスクや再感染リスクの増大が指摘され、ワクチンについては、重症化予防効果は一定程度保たれているものの、発症予防効果は著しく低下していることが報告されている。さらに、試験管内での評価として、一部の抗体治療薬の効果が低下する可能性などが指摘されている。また、現在、国内で経過観察されているオミクロン株の感染例については、全員が軽症または無症状で経過している。海外の研究でも、デルタ株と比較してオミクロン株では重症化しにくい可能性が示唆されているが、今後急速な感染拡大により、感染者数が急速に増加すれば、入院による治療を必要とする人が急激に増え、医療提供体制が急速にひっ迫する可能性に留意が必要である。また、重症化リスクの高い者の間で急速に感染が拡がると、重症者や死亡者が発生する割合が高まるおそれがある。

政府が示した「予防・検査・早期治療の包括強化策」の推進を

水際措置におけるオミクロン株対策への重点化に加え、国内のサーベイランス体制の強化のため、全ての陽性者に対する変異株PCRスクリーニングとともに、特に渡航歴のある陽性者や国内の疫学的リンクが定かでない陽性者に対する全ゲノム解析を継続させることが必要。今後、国内で急速に感染が拡大する可能性もあり、水際対策から国内対策へ重点を移していくことを市民に周知していくことが求められる。また、国内でオミクロン株による感染が確認されており、検査体制の徹底による早期探知、迅速な積極的疫学調査や感染拡大防止策の実施が必要。オミクロン株感染例と同一空間を共有した者については、マスクの着用の有無や接触時間に関わらず、幅広な検査の対象としての対応を行うことが推奨される。その上で、政府が示した「予防・検査・早期治療の包括強化策」を講じることを始め、感染状況に応じた医療提供体制・公衆衛生体制の強化も進めていくことが必要。

オミクロン株の感染拡大が懸念される中で、特に、未接種者へのワクチン接種を進めることも必要であり、自治体においては、ワクチン接種に至っていない者への情報提供を進めることが求められる。あわせて、12月から開始している追加接種を着実に実施していくことも必要。その際、上述の強化策に基づき、医療従事者等や重症化リスクが高い高齢者を対象とした前倒しを円滑に実施することが求められる。また、特例承認された経口治療薬は、軽症から中等症の重症化するリスクが高い患者を対象に使用できることから、治療へのアクセスを向上させ、一定の重症化予防効果が期待される。

少しでも体調が悪ければ外出を控え、積極的な受診と検査を

現在、感染伝播が継続している状況であり、年末年始の休暇などをきっかけとした感染拡大に注意が必要。また、オミクロン株が国内で伝播している可能性が高く、今後急速に拡がっていくことも想定すべき状況にあるとの認識をもって行動することが必要。従って、ワクチン接種者も含め、マスクの正しい着用、手指衛生、ゼロ密や換気といった基本的な感染対策の徹底を継続することが必要であり、これは、オミクロン株でも推奨されている。オミクロン株による感染が確認された地域等においては、感染に不安を感じて希望する者を対象とした無料検査を受けることが可能となった。

12月23日の新型コロナウイルス感染症対策分科会会長談話でも示されたとおり、外出の際は、混雑した場所や感染リスクの高い場所を避けることが必要。特に、旅行等はオミクロン株の動向や、日常では生じない接触が生じる機会となること等を踏まえ、慎重に検討することが求められる。旅行等を行う場合は、健康上の理由でワクチン接種を受けられない者や12歳未満の子どもを対象とした都道府県で実施する無料検査を受けることが可能となった。ワクチン接種を受けた者についても、ワクチンを接種していない人や感染した場合に重症化するリスクの高い人に会う場合には、検査を受けることが推奨される。飲食店を利用する際は、換気などがしっかりとしている第三者認証適用店を選び、できるだけ少人数で行い、大声・長時間を避けるとともに、飲食時以外はマスクを着用することが必要。自身の命を守るため、同時にオミクロン株の感染拡大防止のためにも、軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、積極的な受診と検査が推奨される。

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