医療用医薬品製造販売業公正取引協議会(メーカー公取協)は15日、小野薬品に対して、医療用医薬品製造販売業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約第10条第1項の規程に基づき「警告」を行った。また同時に、[1]本件は規約に違反する行為であることを取締役会で報告事項として報告すると共に、全従業員に周知徹底させること[2]今後、本件と同様の行為が繰り返されないように抜本的な改善を図り、具体的な改善策が決定した段階において公取協に報告すること――を要請した。
今回の違反案件は、小野薬品がオノアクトの販売拡大と奨学寄附金提供を関連づけて、2018年3月20日、大学名義の口座に奨学寄附金として200万円を振り込んだもの。その後、当該准教授によって電子カルテのオノアクト使用履歴において虚偽の入力などもあり、当該大学附属病院に対する平均売上高は18年度に前年の2倍、19年度にはさらにその2倍の水準にまで達したが、20年度には准教授の不正が発覚して18年度以前の状況まで激減した。