第6回調査、学校生活や新型コロナワクチンなどに焦点
国立成育医療研究センターは11月17日、2021年9月に実施した「コロナ×子どもアンケート」第6回調査の全体報告について発表した。この研究は、同センター社会医学研究部・こころの診療部を中心としたグループ「コロナ×子ども本部」によるもの。第6回調査の報告書全文は、同センター「コロナ×子ども本部」のウェブページで公開されている。
画像はリリースより
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックにより、子どもたちの生活も大きく変化した。大人と比べて声をあげることが難しい子どもたちが、今どのような状況に置かれているのか、大人たちは子どもたちのために何ができるのかを明らかにし、現場に届けるとともに、社会に問いかけるため、複数回にわたり調査が実施されている。
第1回は主に流行初期の緊急事態宣言中の子どもたちの生活や健康の様子を、第2回は学校や保育園が再開されてからの子どもたちの様子や新型コロナに関する意識(スティグマ)を調査。第3回は生活の変化や子どもの権利を、第4回はうつ症状を中心としたこころの状態を、第5回は1年をふり返ってのさまざまな影響などに着目して調査を行った。
第6回目となる今回の調査は、2021年9月13~30日、オンラインで行われた。全国的に感染者数が多くなった第5波を受けて緊急で実施され、学校生活や新型コロナワクチンなどに関する捉え方に特に焦点をあてた。質問内容の検討には、2020年に実施した「コロナ×こども会議」での子どもたちの発言をヒントにしたという。
オンライン授業「嬉しくない」と回答した子どもは39%
第6回調査は、全国の子ども1,271人、保護者5,807人、計7,078人が回答。「直近1週間で学校に行きたくないと思ったことが(いつも・たいてい・ときどき)ある」と回答した子どもは38%であった。また、「直近1週間で運動(からだを動かす遊び)を全くしなかった」と回答した子どもは10%、「何回かした程度」は47%だった。
オンライン授業について、「(とても・どちらかというと)嬉しい」と回答した子どもは53%、「(どちらかというと・まったく)嬉しくない」と回答した子どもは39%だった。また、「オンライン授業は子どもの感染リスクが少ないので安心」と回答した保護者は70%だった。一方、「子どもが友だちと会えないのが心配・かわいそう」と回答した保護者も70%だった。
小学生のワクチン接種の意向「受けたい」55%、「受けたくない」38%
「新型コロナウイルスワクチンを接種できるようになったらすぐに受けたいか」という質問に対して、小学生の子どもの55%、中学生以上の子どもの72%が「(とても・どちらかというと)受けたい」と回答。「(まったく・どちらかというと)受けたくない」と回答したのは、小学生の子どもで38%、中学生以上の子どもで24%だった。調査で毎回質問するこころの状態について、何らかのストレス反応を抱えている子どもは全体の70%だった。
第6回調査実施後、幸い全国的に感染者数が激減している。しかし、子どもたちの生活や心身への影響は、今後もまだしばらく続く可能性が高いと考えられる。「調査の結果をぜひ多くの方に知っていただき、子どもたちの状況を改善していくためのきっかけ・ヒントにしてほしい」と、研究グループは述べている。
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・国立成育医療研究センター プレスリリース