厚生科学審議会と薬事・食品衛生審議会の合同会議は12日、HPVワクチンの積極的勧奨を再開することを了承した。患者を支援する協力医療機関の体制強化や最新エビデンスに基づく情報提供などに取り組むとした厚生労働省の案を支持。勧奨再開に向けた手続きについて、厚労省は早期に示したい考えだ。
10月の前回会合では、積極的勧奨差し控え後の8年間で、接種後に見られた疼痛等の多様な症状とワクチンに関連性があるエビデンスが確認されていないこと、症状を発現した患者への支援の面で適切な対応が行われているなどとして、「積極的勧奨の再開を妨げる要素はない」との方向性を示していた。この日の合同会議では、▽症状に苦しむ患者の支援▽ワクチンに関する情報提供▽安全性・有効性に関するエビデンス――について、再開を見越して強化すべき点を厚労省が示した。
症状に苦しむ患者の支援については、協力医療機関61施設が回答した診療体制の実態に関する調査結果を公表。医師や関係診療科間での連携など必要な診療提供体制が維持されているとした半面、都道府県や市町村職員との意見交換や職員研修については改善の余地があるなどとした。
調査結果を踏まえ、定期的に実施している研修会の継続、医療機関間で相談できる体制の構築、医療機関と都道府県の情報共有などを強化すべきとした。
情報提供の面では、接種を検討する人や保護者向けに安全性等に関する情報を記したリーフレットについて、最新のエビデンスを踏まえた改訂、9価ワクチンに関する情報も含めて厚労省のホームページとリンクした情報提供を行うために修正が必要とした。
安全性等に関する最新のエビデンスに関しては、安全性に特段の懸念は認められないとした上で、今後もエビデンス収集を継続し、評価を行うべきとした。