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【都薬調査】外用薬の「使用感」重視-患者希望で後発品変更不可

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2021年11月10日 AM10:45

患者や医療機関からの要望で変更がしづらい医薬品について約7割の薬局が外用薬の「」と回答していたことが東京都薬剤師会が実施したアンケート調査で明らかになった。医薬品を変更できない理由について内服薬は「患者の希望」と「後発品の入手困難」が上位で拮抗していたが、外用薬は「患者の希望」が約6割を占めた。後発品調剤体制加算を1段階昇格するための重要な品目として外用薬を挙げる薬局が多く、使用感を大事にする患者に後発品を納得して使ってもらえるための施策が今後の課題といえそうだ。

調査は9月に938人の管理薬剤師と薬局開設者を対象に実施した。自局で特に変更しづらい頻度の高い医薬品名(内服薬)を聞いたところ、「エディロール」が最上位となった。2位は抗不安薬「デパス」、3位が睡眠導入薬「マイスリー」、4位が慢性心不全治療薬「メインテート」、5位が抗アレルギー薬「アレロック」と続いた。

医薬品が変更しづらい一番の理由を聞くと、「患者希望」が約4割と最も多く、「後発品が入手できない」をわずかに上回った。「医師から変更不可を指示された」が約1割となった。

外用薬で変更しづらい医薬品のトップは抗凝固薬「ヒルドイド」で、2位が消炎鎮痛薬「モーラス」、3位が消炎鎮痛薬「ロキソニン」、4位が外用ステロイド薬「アンテベート」、5位が気管支拡張剤「ホクナリンテープ」となった。

これらの医薬品が変更しづらい一番の理由は「患者の希望」で約6割を占めた。次に多かったのが「医師による変更不可の指示」で約2割、続いて「先発品のみ採用」「後発品が入手できない」はそれぞれ5%程度となった。

後発品調剤体制加算の算定状況を聞いたところ、加算1(75%以上)は16%、加算2(80%以上)が27%、加算3(85%以上)が28%、未到達が16%、算定せず(施設基準が未届)が13%となり、約7割の薬局が算定していた。

自局で取り扱う医療用医薬品を総合的に精査して、後発品調剤体制加算が1段階昇格する医薬品のうち最上位となる品目を聞いたところ、「ヒルドイドソフト軟膏0.3%」の回答が最も多く、次は「ヒルドイドローション0.3%」となった。3位以降は「モーラステープL40mg」「アムロジピン」「ロキソニン錠60mg」と続いた。

後発品調剤体制加算が1段階昇格する医薬品のうち、上位2品目目の薬剤でも「ヒルドイドソフト軟膏0.3%」がトップで、「モーラステープL40mg」「ヒルドイドローション0.3%」「ロキソニンテープ100mg」「レバミピド錠100mg」の順となった。

都薬の永田泰造会長は5日の定例会見で、「外用薬は使用感の問題から患者さんから変えてほしくないという希望につながっていると推測している」と分析。今後の後発品の使用促進策については、「外用薬の先発品と後発品は製剤的に違い、同類のものではない。内服薬と外用薬を一つのカテゴリーにまとめて後発品の使用促進をするのではなく、先発品と後発品で製剤技術に明らかな差があり、使用感が違うのであれば、患者の満足度を上げる意味で内服薬とは違った取り扱い方も考えないといけないのではないか」と語った。

<訂正>

 記事中、抗パーキンソン病治療薬「デパス」は抗不安薬の誤りでした。お詫びして訂正します。

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