治験に参加する被験者への説明や同意を電子的に取得する「eコンセント」を導入した製薬企業がわずか15%にとどまることが日本製薬工業協会医薬品評価委員会が実施した調査で明らかになった。導入実績があるのは全て外資系企業で、内資系企業で普及が進んでいない。国内での導入実績の少なさやシステム導入にかかる時間・費用などが普及を妨げているほか、医療機関側からも紙原本の説明文書・同意文書に比べた場合のeコンセントのメリットが理解されていない現状があるようだ。
通常、被験者が治験に参加する場合、医師や治験コーディネーター(CRC)が紙の治験説明文書を用いて口頭で説明し、被験者が納得すれば同意文書に署名し、参加する流れになる。新型コロナウイルス感染防止に伴い、被験者が来院しない非接触型での実施が可能な分散型治験が試行的に導入される中、動画コンテンツの視聴を通じて治験の理解向上につなげる電子説明文書、遠隔からでも被験者からの同意取得が可能な電子同意文書を活用する機運が高まっている。