エーザイの内藤晴夫社長は1日、オンライン上で開いた中間決算説明会で、米国で販売を開始したアルツハイマー病(AD)治療薬「アデュヘルム」に言及。第III相試験結果をトップティアジャーナルに投稿中とし、「出版されれば各医療機関での採用などにも前向きな効果がある」と強調。「患者さん、家族の負担を解消する夢と希望をもたらす薬剤が客観的に証明され、アデュヘルムが花を開く春はそう遠くなく訪れるはずと確信している」と自信を示した。
アデュヘルムをめぐっては、米国での販売が低調に推移しているとされるが、内藤氏は「ADという非常に重要で身近な疾患に対するブレークスルー的な薬剤の登場に伴い、様々な超えなければいけないポイントがある」と課題を指摘。その一つに臨床データと治療価値の理解向上を挙げた。
現在、第III相試験「EMERGE」「ENGAGE」の結果データをトップティアジャーナルに投稿し、査読中であると説明。「これら第III相試験の結果について、トップティアジャーナルにしっかりと審査され、出版されることは臨床データの信頼性を大きく向上させることになる。今後、各医療機関における採用などにも前向きな効果があるだろう」と期待感を示した。
米国では、約120施設の医療機関でアデュヘルムが投与されているが、内藤氏は「9月時点と比べて倍加しているぐらいのスピードで増えてきている。今後も着実な拡大が図られていくと期待したい」と強調。
その上で、「アルツハイマー病治療の新たな1ページを開くアデュヘルムは必ず大きな花を開くはず。患者さん、家族の負担を解消する多くの夢、希望をもたらすアデュヘルムが客観的に証明され、いよいよ世に出てくる。間違いなく花開くと確信しているし、アデュヘルムについて花が開く春は、そう遠くなく訪れるはず」と自信を示した。