従来機より骨を削るスピードが約29%向上、手術時間を短縮
近畿大学は10月21日、同大病院に、変形性膝関節症、関節リウマチ、スポーツや外傷による後遺症などに対する人工関節置換術に用いる次世代型ロボット支援手術システム「CORI(Core of Real Intelligence)サージカルシステム」(Smith&Nephew社製)を、2021年10月22日より日本で初めて導入したと発表した。
画像はリリースより
同院は、2017年4月に人工関節センターを設立し、人工膝関節置換術後の早期回復に向けた診療技術の開発などを通じて、患者に満足度の高い診療を提供することを目指している。
今回導入したロボット支援手術システム「CORI」は、膝の人工膝関節置換術の際に使用するもので、2019年に同院が日本で初めて導入した「NAVIO」の次世代機として開発されたもの。NAVIOのノウハウを踏襲しつつ、骨を削るスピードが約29%向上したことで、手術時間の短縮が期待できる。
オーダーメイド手術による術後QOLの向上に期待
また、骨を削るドリルの制御能力や赤外線カメラの反応速度が向上したことにより、これまで以上に正確な骨掘削が可能になり、患者の膝の状態に応じたオーダーメイド手術が提供できるという。さらに、小型化によって、手術室内での移動も容易になったとしている。
人工膝関節の全置換術では、膝十字靭帯を切除する場合が多く、膝十字靭帯を温存して高機能の膝関節を再建するには高い精度でのインプラント設置が求められる。CORIは、そのような十字靭帯温存型人工膝関節置換術にも対応しており、患者の要望や膝の状態に適したオーダーメイドの手術支援によって健康な膝関節と変わらない曲がりやすさを取り戻し、術後の早期回復・社会復帰や、QOLのさらなる向上に貢献することが期待できる、と研究グループは述べている。
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